来年給料が上がったら

新婚旅行でロンドンに滞在していたときのこと。もちろん、かなり昔の話です。ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッドという有名なワイン商のある通りへ連れ合いと向かっていました。途中に小綺麗なワイン屋を発見し入ってみることに。

高級感のあるワインラックにはコスやラスカーズなどのワインが並んでいました。残念ながら値段が日本よりも5割増しくらいです。ストックと値段を確認しながら店内を一回りして、そのまま店を出ることにしました。

ドアの方へ向かおうとしたその瞬間。ブラックスーツにネクタイ姿の店主らしき初老の男性が私たちの行く手を遮ってこう言うのです。

「おっと、うちでは1本も買わずにお店を出ることはできませんよ。」

突然の言葉に、完全に面食らった私は何の言葉を発することもできませんでした。すると、店主はすぐに私の背中をポンと叩いてニヤリと笑いながら言いました。

「冗談、冗談。買う必要はありませんよ。来年給料が上がったらまたいらしてください。」

ワイン絡みの忘れられない屈辱的な体験の一つです。
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by nossnoss | 2008-06-25 22:59 | ワイン