コンチャ・イ・トロ アメリア

辛口の白といえば、忘れられないのがコンチャ・イ・トロのアメリア。チリでおそらく最も有力なワイナリーの最高峰シャルドネです。同社にはドン・メルチョというカベルネの凄いのもありますね。ドン・メルチョもお気に入りなのですが、アメリアにはそれ以上に強い思い入れがあります。

アメリアに最初に出会ったのは10年くらい前。近くの品揃えの良い店で普通に売っていました。

そのころはもう飲むワインのほとんどが赤。旨い白を飲みたいという気持ちはありましたが、大枚叩いてモンラッシェやコルトン・シャルルマーニュを買うくらいならボルドーの赤って思うのが普通ですよね。というわけで、チリ産のシャルドネ最高峰っていうのは、値段的にも試し頃だったんです。

飲んでみたら、それまでの白とは全く別世界の味。ルーウィンのシャルドネよりも旨いと思いました。それから当分の間白ワインといえばアメリア、アメリア以外の白ワインは飲まないという日々が2、3年続きました。文字通り、白ワインに対する見方を変えてくれたワインです。

アメリアのすごいところは、この上なく濃厚でありながらすいすい飲めること。普通、シャルドネは高級なほどフルーツ感が強くなり量を飲むのが辛くなります。たとえばパイナップルジュースを飲み過ぎると胸が焼けるような感覚です。ところが、アメリアの場合は濃厚でありながらエグみがなく、いくらでも飲めてしまうのです。

ヒュー・ジョンソンによれば高級なワインは少量でも飲み手を満足させる力があるそうですが、自分にとって本当に旨いワインはあっという間にボトルを開けさせる力があるようです。良くできたブルゴーニュの赤、綺麗に熟成したボルドーの古酒(もちろん赤)、上品なスパークリングなど皆そうです。これらのワインは滅多に飲めるものではありませんが、当時のアメリアならちょっと背伸びすれば届く範囲でした。

皮肉なことに、アメリアを見つけてからは白ワインに対する興味をほぼ完全に失いました。たしかに、それ以上に旨い白ワインも探せばあるのでしょうが、当時のアメリア以上に価格と品質の両面から納得できる白ワインには恐らく出会えないことが分かっていたからです。

その後、コンチャ・イ・トロの上級品はみな値上がりしましたが、残念ながらワインのできは以前の方が良かったような気がします。アメリアも今は5000円を超える値段になり久しく飲んでいません。
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by nossnoss | 2008-06-17 22:30 | ワイン